「長期金利が2.9%台に上昇」というニュースが話題になっています。
2026年8月17日には、日本の長期金利の代表的な指標である新発10年国債利回りが、一時2.93%まで上昇しました。これは1996年以来、約30年ぶりの高い水準です。
金利が上がると、
「住宅ローンの返済額もすぐ増えるの?」
「株価は下がるの?」
と心配になりますよね。
ただし、長期金利の上昇は、固定金利と変動金利で影響の出方が異なります。
この記事では、長期金利が2.9%台になった背景と、住宅ローンへの影響をわかりやすく解説します。
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そもそも長期金利とは?

長期金利とは、一般的に10年国債の利回りを指します。
国債は国が発行する債券で、利回りは市場での売買によって変動します。将来、金利が上がりそうだと考える人が増えると、国債が売られ、利回りは上昇しやすくなります。
長期金利は、住宅ローンや企業向け融資など、長期間にわたるお金の貸し借りを決める際の目安になります。
ただし、10年国債の利回りが2.93%になったからといって、住宅ローンの金利がそのまま2.93%になるわけではありません。
金融機関ごとの調達コストや手数料、契約内容などをもとに、実際の適用金利が決まります。
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住宅ローンへの影響

固定金利は上昇しやすい
長期金利の上昇がまず影響しやすいのは、固定金利型の住宅ローンです。
10年固定型や全期間固定型、フラット35などは、長期金利の動きを反映して金利が決まりやすい仕組みになっています。
そのため、長期金利の上昇が続くと、新たに住宅ローンを借りる人や、固定金利へ借り換える人の負担が増える可能性があります。
たとえば、これから住宅を購入する場合、同じ借入額でも金利が上がれば毎月の返済額は増えます。借入可能額が少なくなったり、購入予算の見直しが必要になったりするケースもあります。
一方、すでに全期間固定金利で契約している人は、原則として市場の長期金利が上がっただけで、契約中の金利が変わるわけではありません。
変動金利はすぐに連動しない
変動金利は、長期金利ではなく、主に日銀の政策金利や短期プライムレートの影響を受けます。
そのため、長期金利が2.9%台になったからといって、翌日から変動金利が同じように上がるわけではありません。
ただし、長期金利の上昇の背景に日銀の追加利上げ観測がある場合は注意が必要です。
日銀が政策金利を引き上げれば、時間差をともなって変動金利や住宅ローンの返済額に影響する可能性があります。
変動金利で借りている人は、次の点を確認しておくと安心です。
- 次回の金利見直し時期
- 返済額が変わるタイミング
- 5年ルールや125%ルールの有無
- 金利が1%、2%上がった場合の返済額
「長期金利が上がったから、すぐ返済額が急増する」とは限りません。
しかし、固定金利だけでなく、日銀の政策金利の動きもあわせて確認することが大切です。住宅ローンの金利タイプによって、影響を受けるタイミングが異なる点に注意しましょう。
株価への影響

長期金利の上昇は、株価にとっては基本的に下押し要因になります。
企業が銀行からお金を借りる際の金利や、社債を発行するときの利率が上がると、支払利息が増えます。
その結果、設備投資や事業拡大を控える企業が増えたり、利益が圧迫されたりする可能性があります。
また、株価は将来の利益をもとに評価されます。金利が上がると、将来受け取る利益の現在価値が下がるため、特に成長期待が先行している銘柄や、PERの高い銘柄には逆風となりやすい傾向があります。
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影響を受けやすい業種
- 不動産会社・REIT:借入金の利払い負担が増えやすい
- 住宅メーカー:住宅ローン金利の上昇で住宅需要が弱くなる可能性
- 借入金の多い企業:金利上昇が利益を圧迫しやすい
- 成長株:将来利益の評価が下がりやすい
特に不動産会社やREITは、物件の取得や開発のために多額の借入を行うことが多く、金利上昇の影響を受けやすいとされています。
銀行株には追い風の面も

一方で、金利上昇がすべての業種にとって悪材料というわけではありません。
銀行は、企業や個人への貸出金利と、預金者に支払う預金金利の差で利益を得ています。貸出金利が上がり、預金金利の上昇がそれほど大きくなければ、銀行の利ざやが改善する可能性があります。
そのため、利上げ観測が強まる局面では、銀行株が買われることもあります。
ただし、景気が悪化して貸し倒れが増えれば、銀行にとってマイナス要因になるため、金利上昇だけで株価の動きが決まるわけではありません。
なぜ長期金利は上がっているのか?

今回、長期金利が2.9%台まで上昇した背景には、いくつかの要因があります。まず大きいのが、日銀による追加利上げへの警戒感です。
市場では、日銀が早ければ9月にも政策金利を引き上げるのではないかとの見方が強まり、国債を売る動きにつながりました。
国債が売られると、価格が下がり、利回りである長期金利は上昇します。さらに、中東情勢への懸念から原油価格が高止まりし、物価上昇が長引くとの見方も出ています。
物価が上がり続ければ、日銀が金融引き締めを進めやすくなるため、金利上昇の要因になります。
政府債務への懸念や、海外の長期金利上昇も影響しています。つまり、今回の金利上昇は、日銀の政策だけでなく、物価、原油、財政、海外市場など複数の材料が重なった結果といえます。
私たちが確認したいこと

長期金利2.9%台のニュースを見たときは、金利の数字だけで慌てるのではなく、自分の住宅ローンや資産状況を確認することが大切です。
住宅ローンをこれから組む人は、固定金利と変動金利のどちらが得かを、現在の金利差だけで判断しないようにしましょう。
変動金利を選ぶ場合は、金利が1%、2%上昇した場合でも返済を続けられるか、余裕を持って試算しておくことが重要です。
すでに借り入れをしている人は、契約書や金融機関の案内で、金利の見直し時期と返済額の変更ルールを確認しておきましょう。
株式投資では、金利上昇の影響を受けやすい不動産株や借入金の多い企業だけでなく、銀行株など恩恵を受ける可能性のある業種にも目を向けると、相場全体を理解しやすくなります。
ただし、金利だけで株価や住宅ローンの動きを断定することはできません。物価、為替、企業業績、日銀の発表などもあわせて確認するようにしましょう。
まとめ
日本の長期金利は、10年国債利回りが一時2.93%まで上昇し、約30年ぶりの高水準となりました。
長期金利の上昇は、新しく借りる固定金利型の住宅ローンに影響しやすく、変動金利は日銀の政策金利を通じて時間差で影響を受ける可能性があります。
株価については、企業の借入コストや将来利益の評価に影響するため、全体としては下押し要因です。一方、銀行株のように追い風となる業種もあります。
金利上昇のニュースを見たら、住宅ローンの契約内容や家計の返済余力、保有株の業種構成を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
※本記事は金利や市場の仕組みを解説するもので、特定の金融商品や住宅ローンを推奨するものではありません。契約や投資については、最新情報を確認したうえで、ご自身の判断で行ってください。

