海外旅行や出張の準備をしているときに、「入国税」や「出国税」という言葉を耳にすることがあります。
どちらも“国を出入りするときにかかるお金”のように思えますが、実は意味も仕組みも異なります。
この記事では、入国税と出国税の違い、日本で実際に導入されている税金、海外の事例までをわかりやすく解説します。
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入国税と出国税の違いを簡単に説明すると?

まずは両者の違いをシンプルに表で見てみましょう。
| 項目 | 入国税 | 出国税 |
|---|---|---|
| 定義 | 外国からその国に入るときに課される税金 | その国から出るときに課される税金 |
| 主な目的 | 観光管理・環境保全・インフラ整備など | 観光基盤整備・出国手続きの効率化など |
| 支払いのタイミング | 入国時や到着空港で支払い | 出国時、航空券に含まれることが多い |
| 日本での導入 | なし(2025年現在) | あり:「国際観光旅客税(1,000円)」 |
つまり、
- 「入国税」=外国に入るときに払う税
- 「出国税」=自国を出るときに払う税
という違いがあります。
日本では「出国税(国際観光旅客税)」が導入されている

日本では、2019年1月から「国際観光旅客税」という出国税が導入されています。
🧾 国際観光旅客税の概要
- 金額:1,000円
- 対象:日本を出国するすべての旅行者(日本人・外国人ともに対象)
- 目的:観光資源の整備や入出国手続きの円滑化など、観光立国推進のため
- 支払い方法:航空券や船舶チケット代に自動的に上乗せ
→ 空港で別途支払う必要はありません。
👉つまり、通常の海外旅行者はチケット購入時に自動的に支払っていることになります。
ポイント
2025年11月12日、政府が出国税の引き上げを検討しているという報道がありました。
免除されるケース
以下の場合は課税されません:
- 2歳未満の者: 日本から出国する日における年齢が2歳未満(満年齢)の者は免税となります。
- 乗員: 航空機や船舶の乗員として出国する者(職務のために乗船・搭乗する者に限る)は免税となります。
- 24時間以内の乗り継ぎ旅客: 日本に到着後、24時間以内に別の国際便で出国することが一つの航空券(または運送契約)で明らかな場合、国際観光旅客税は課税されません。
- 天候:天候不良などやむを得ない理由で24時間を超えて日本に滞在した場合も、免税の対象になります。
- 公用で派遣された外交官・領事官等: 外国政府から日本に派遣された外交官、領事官(およびその家族)で、公用で出国する場合、特定の証明書の提示により免税となります(相互主義による)。
- 国賓等: 国賓その他これに準ずる者として出国する場合も免税となります。
- 米軍関係者等: 合衆国軍隊の構成員および国連軍の構成員も免税となります。
- 経過措置: 2019年1月7日の税制度導入前に購入された航空券や乗船券については、一定の条件で免税となる場合があります。
日本には「入国税」は存在しない

一方で、日本には「入国税」と呼ばれる税金はありません。
日本に入国する際には、税金ではなく以下のような手続きや費用が発生する場合があります。
- 関税・消費税:購入した物品の持ち込みに対して課税されることがある
- 観光税(宿泊税):一部自治体がホテル宿泊時に徴収(例:東京都・京都市など)
ただし、これらは「入国時に払う税金」ではなく、国内での消費や宿泊に対する税なので、入国税とは別の概念です。
海外では「入国税」を導入している国もある

世界に目を向けると、「入国税」やそれに相当する税金を導入している国は少なくありません。
| 国・地域 | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| インドネシア(バリ島) | 観光税 | 2024年より外国人観光客に15万ルピア(約1,400円)徴収 |
| タイ | 空港使用料 | 航空券代に含まれる。空港維持費などに充当 |
| オーストラリア | 出入国税 | 約60豪ドル前後。航空券に自動的に含まれる |
| フィジー・ベリーズなど | 環境保全税 | 自然保護目的で導入されるケースも |
このように「入国税」といっても、名称や目的はさまざま。
多くは「観光税」「保全税」といった名目で、観光インフラや環境保護のために使われています。
可愛いハリネズミのロゴがアクセント
北欧の人気ブランドのキャリーケース
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旅行者が注意すべきポイント
海外旅行時には、以下の点を確認しておくと安心です。
- 航空券に税金が含まれているかをチェック
👉ほとんどの場合、航空券代に含まれていますが、国によっては現地払いも。 - 現地で支払いが必要な場合は現金を用意
👉到着時に支払う国では、現地通貨の少額紙幣を持っておくとスムーズ。 - 免税対象・例外を確認
👉トランジット(乗り継ぎ)や短期滞在では免除されることもあります。
まとめ:入国税と出国税の違いを理解して、スマートに海外へ
- 入国税:外国に入るときに課される税(日本では導入なし)
- 出国税:自国から出るときに課される税(日本では1,000円)
- 多くの国では航空券に含まれているため、空港での手続きは不要
旅行前に各国の制度を確認しておけば、現地で慌てることなく安心して出入国できます。
特に日本の出国税は自動的に徴収されるため、追加で支払う必要はないと覚えておきましょう。

