激甚災害に指定されると何が変わる?支援内容・指定基準・手続きの流れをわかりやすく解説!

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大きな地震や台風が発生するたびに、ニュースで「激甚災害に指定される見通し」という言葉を耳にします。

でも、「指定されると実際に何が変わるの?」「自分たちの生活にどう関係するの?」と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

この記事では、激甚災害の指定によって何がどう変わるのか、誰がどんな支援を受けられるのか、指定までの流れはどうなっているのかを、わかりやすく解説します。
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激甚災害とは?まず基本を押さえよう

激甚災害とは、地震・台風・豪雨・洪水・津波・噴火・地滑りなどの自然災害のうち、被害の規模が著しく大きく、国からの資金援助なしには復旧・復興が困難と判断された災害のことです。

根拠となるのは、1962年(昭和37年)に制定された激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(通称:激甚災害法)です。この法律に基づき、政令によって正式に指定が行われます。

注意したいのは、激甚災害の認定では人的被害よりも経済的被害が重視されるという点です。死者・負傷者の数よりも、公共施設や農地・インフラの損壊による復旧費用の規模が基準になっています。


激甚災害に指定されると何が変わる?

一言で言えば、国が通常よりも手厚い財政支援を行うことになります。具体的には以下のような変化が生じます。


1. 公共土木施設・公共施設の復旧への国庫補助率が上がる

通常の災害復旧では、国と地方自治体の費用負担割合はおおむね半々程度です。しかし激甚災害に指定されると、公共土木施設等については国の負担割合が3分の2程度まで引き上げられます

対象となる施設には、道路・橋・トンネル・河川・堤防・学校・図書館・公営住宅・社会福祉施設・病院などが含まれます。これにより、被災した自治体が財政的な不安を抱えずに迅速な復旧工事に取り組めるようになります。

また、国庫補助の対象にならない公共施設の復旧についても、地方債の発行や元利償還金の基準財政需要額算入といった財政措置が用意されており、自治体の財政破綻リスクを抑える仕組みが整えられています。

こうした支援の結果、通行止めの解除・病院の早期再開・ライフラインの復旧が早まり、地域住民が日常生活を取り戻すまでの時間を短縮できる可能性が高まります。


2. 農業・漁業への支援が手厚くなる

農地・農業用施設・漁業施設が被害を受けた場合も、通常より高い補助率で国庫補助が適用されます。農林水産業の共同利用施設については、程度に応じて最大8割まで国が補助します。

さらに、被災した農業者・漁業者は低利・長期の融資制度を利用できるようになり、農機具や漁船などの再建費用を平時よりも有利な条件で調達できます。


3. 中小企業への金融支援・融資制度が拡充される

激甚災害の指定を受けると、中小企業の事業継続と雇用維持を支えるための金融支援が大幅に拡充されます。

具体的には、「災害復旧貸付」や「セーフティネット保証」などの特別保証枠が設けられ、既存借入金の返済猶予や新規運転資金の調達が通常よりも有利な条件で行えます。

また、信用保証協会による保証枠の拡大や保証料の軽減も組み合わされ、倒産リスクを抑えながら店舗の再開や設備の更新が進めやすくなります。


4. その他の特例措置

上記のほか、感染症予防事業への補助率引き上げ、被災者の住宅再建支援、雇用保険の特例など、状況に応じてさまざまな特例措置が適用されます。

ただし、激甚災害に指定されたからといって、すべての措置が自動的に適用されるわけではありません。措置ごとに別途、一定の基準を満たすことが必要です。

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「本激」と「局激」の違い

激甚災害の指定には、大きく分けて2つの種類があります。

本激(激甚災害指定基準による指定)

全国的な規模で被害が甚大だった災害を対象に、地域を特定せず災害そのものを指定するものです。阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)、能登半島地震(2024年)などが代表例です。

指定基準の一例として、公共土木施設関係では「全国の査定見込額が全国の標準税収入の0.5%を超えること」などが条件となっています。


局激(局地激甚災害指定基準による指定)

局地的な豪雨や地震など、特定の市町村に集中した被害を対象に、市町村単位で指定するものです。たとえば「公共施設の災害復旧事業費がその自治体の標準税収入の50%を超える場合」などが指定の目安とされています。

本激の指定基準を満たさなかった場合でも、局激として指定されることで特例措置が適用されるため、被害が局地的でも手厚い支援を受けられる可能性があります。

なお、同じ災害が本激と局激の両方の指定を受けることもありますが、同じ特例措置が二重に適用されることはありません。

2026年4月に発生した岩手県の森林火災はこちらの「局地」にあたります。


指定までの流れ

激甚災害の指定は、次のような手順で進みます。

1️⃣被害調査・報告
市区町村が道路・河川・農地・中小企業などの被害状況を調査し、所管の省庁へ報告します。この報告は必要に応じて複数回行われるため、報告が遅れても指定から外れることはありません。

2️⃣内閣府による基準との照合
各省庁から報告を受けた内閣府が、激甚災害指定基準と比較し、基準を満たすかどうかを判断します。

3️⃣中央防災会議の答申
基準を満たすと判断された場合、内閣府に置かれる中央防災会議が答申を行います。

4️⃣内閣総理大臣による指定・政令公布
中央防災会議の答申を受けて、内閣総理大臣が激甚災害として指定し、政令が公布されることで正式に各種措置が発動します。

以前は指定までに数か月かかることもありましたが、2017年以降は運用が見直され、最短で1週間程度で指定見込みが公表されるようになりました。これにより、自治体や事業者が早期に復旧計画を立てやすくなっています。


激甚災害と特定非常災害の違いは?

ニュースで似たような言葉として「特定非常災害」が出てくることがあります。両者の違いを整理しておきましょう。

激甚災害は主に公共施設や産業基盤の復旧を目的とした財政支援の制度であるのに対し、特定非常災害は被災した個人・住民の生活再建を中心に特例措置が適用される制度です。

特定非常災害に指定されると、たとえば「運転免許証の有効期間を最大6か月延長できる」「破産手続きの開始が最大2年間猶予される」「遺産相続の決定期間が最大1年間延長される」といった個人向けの特例が設けられます。

大規模な災害では、激甚災害と特定非常災害の両方に指定されることもあります。


最近の指定事例

内閣府の防災情報によれば、日本では毎年のように激甚災害の指定が行われています。1999年の激甚災害法改正で指定基準が大幅に緩和されて以来、ほぼ毎年、本激または局激の指定が実施されています。

近年の主な事例としては、令和8年(2026年)岩手 大槌町の山林火災、令和8年(2026年)1月の鳥取県境港市の地震、令和6年(2024年)能登半島地震、同年の奥能登豪雨、令和2年7月豪雨、令和元年台風19号などが挙げられます。


まとめ:激甚災害指定がもたらす意味

激甚災害に指定されると、国庫補助率の引き上げという形で地方自治体の財政負担が大きく軽減されます。これにより、被災した市区町村がインフラや公共施設の復旧に迅速に取り組めるようになるだけでなく、農業者・漁業者・中小企業者への融資や特別保証といった産業支援も充実します。

指定はあくまで財政的な支援の仕組みであり、すべての被災者に直接お金が給付されるわけではありません。しかし、道路・学校・病院・ライフラインの復旧が早まることで、地域住民が日常生活を取り戻すスピードに直結する重要な制度です。

自分の住む地域や関わる産業が被害を受けた際には、激甚災害の指定状況を内閣府の防災情報ページで確認し、利用できる支援制度を積極的に把握することが大切です。

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