最近、SNS（特に TikTok）で「横揺れダンス」と呼ばれるダンス動画が急増し、小中学生の間でも広がっているそうです。
“迷惑行為を行う人や反社会的な人々の界隈で生まれた”という紹介もあり、その起源や成り立ちに関して「なんでまた流行っているの？」と疑問に思う人は少なくありません。
今回は、「横揺れダンス」とは何か、その起源と特徴、そしてなぜ今になって再び・または急激に広がったのか──“流行の背景”を、複数の観点から整理していきます。
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横揺れダンスとは — 起源と特徴
「横揺れダンス」は、その名の通り、体を左右に大きく揺らす“ゆったりノリ”のダンススタイル。肩や腰、膝を左右にスライドさせ、リズムに乗る“横ノリ”が特徴です。
このスタイルのきっかけとなったのが、ノルウェー発のEDM曲 、CHERNOBYL 2017。この楽曲に合わせて踊る「横揺れ」が、後に「横揺れダンス」として認識されるようになった。
左右に揺れる“ラフなノリ”は、ヒップホップやソウルなどのリズムダンスの“横ノリ（Side-to-Side）”にも通じる要素です。
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なぜ今、再び／急速に広がっているのか — 背景にある要因
では、なぜこの横揺れダンスが今また注目され、小中学生にも広がるほどの“ブーム”になっているのか。その背景には、いくつか重なり合った要因があるようです。
覚えやすく、真似しやすい “敷居の低さ”
横揺れダンスは、複雑なステップや高度なリズム感を必要としません。肩や腰を揺らすだけ、リズムに合わせるだけという“ゆるさ”があり、ダンス経験がない人や子どもでも気軽に真似できます。
この“敷居の低さ”は、友だち同士や学校、仲間うちで“ちょっとした盛り上がり”として取り入れやすく、結果として広がりやすいと言えるでしょう。
SNS（短尺動画）との親和性 — 映える・バズりやすい
TikTokなど短い動画プラットフォームでは、「一目で分かる・インパクトある・見た目で伝わる」コンテンツが拡散されやすい傾向にあります。
横揺れダンスは、体を左右に揺らすというビジュアルが明快で、音楽 × 動き ×ノリが直感的に伝わります。これが「映え」「バズるネタ」として刺さりやすい。
加えて、編集や撮影が簡単な点も影響しています。リズムに合わせて揺れるだけなら、特別な技術や機材もいらず、“誰でも投稿できる”気軽さがあります。
若者文化／過去世代との継承 — 「裏カルチャー」「ミーム感」の再評価
「横揺れダンス」は、もともと若者文化、ストリート／EDM系のムーブメントの中で育ってきました。そこには、ファッションやスラング、仲間との“ノリ”“空気感”が伴っていました。
SNSで広がることで、いわば“裏カルチャー的なノリ”が再評価されたとも言えます。
若年層にとっては「カッコいい／挑戦したい／仲間になりたい」という動機になりやすいし、一方で“ミーム（ネタ）感”“ギャグっぽさ”も含んでいるため、遊びや冗談のノリとして受け入れやすいのでしょう。
自由度とアレンジのしやすさ — 「自分流」「友だち流」が作れる
横揺れダンスは、もとの振付に厳密に従う必要がありません。リズムに合わせて揺れたり、独自にアレンジしたり──と、個人のセンスで自由に表現できます。
これが「自分らしさ／個性」を出したい若者たちにとって魅力となっています。
さらに、リミックス音源やエフェクト動画など、SNSならではの“編集 × アート的表現”と掛け合わせることで、ただの踊りではなく、“ムーブメント”や“コミュニティ”として拡散しやすい点もポイント。
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なぜ大人（親／教師）は困惑するのか — “流行＝問題”の側面
流行すること自体は自然だが、今回のように「小中学生が教室や廊下で踊る」「他人にぶつかる」「迷惑行為につながる」といった報告が出ているのも事実です。
実際ある家庭では、教員から「息子が教室で横揺れダンスをして、手が女子生徒の顔に当たった」という連絡を受け、親が困惑した、という声が報告されている。
また、“横揺れダンス”の起源や雰囲気（ストリート系、不良文化、若者の遊び感覚など）に対して、「軽率」「ふざけている」「不良っぽい」といった否定的・警戒的な見方をする大人も少なくありません。
特に学校という公共性の高い場では、そのようなノリが受け入れられにくい。
つまり、「流行っている」という事実と、「それをどう受け止めるか／どう扱うか」という社会の価値観のズレが、困惑を生んでいると言えます。
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結論 — “なぜ流行るか”を整理すると…
「横揺れダンス」が今、再び／急速に広がっているのは、次のような複数の要因が重なっているからだと思われます。
- 動きがシンプルで、誰でも簡単に真似できる“敷居の低さ”
- SNS × 短尺動画の特性との親和性。「映える」「バズる」「拡散されやすい」
- 若者文化・ストリート／EDM系カルチャーとしての背景 — “ノリ”“センス”“裏カルチャー感”への共感
- 自由なアレンジ・表現のしやすさ。“個性”“友だちとの共有”“仲間づくり”に繋がる
これらが重なり合って、ただの“踊り”ではなく、「若者のムーブメント」「ネット文化」「ミーム（ネタ）」として定着しつつあります。
そして、SNSというプラットフォームがあるいま、「いつでも」「誰でも」「どこでも」そのムーブメントに参加できる――それが、「横揺れダンス」の“今っぽさ”と“広がりやすさ”の本質なのではないでしょうか？
